権利処理実務者の諸々日記

著作権や肖像権等の権利処理に携わってきた筆者が周辺書籍の紹介等をします。

権利処理の仕事

初めての人に会って、自己紹介するとき「権利処理」ってどんなことをするのか、よく聞かれます。確かに「権利処理」という言葉は耳慣れないですね。私たちが普段何をしているのか、放送番組と出版物とで若干異なりますが放送番組のドラマを例にして、簡単に…

実演の保護期間

ここはSMAPの話を書くのがいいのかもしれませんが、まだ絶対的ではないのと、解散して欲しくないなという気持ちからもう少し落ち着いてから、まとめたいと思います。 じゃあ、何を書くかというと…。備忘録的に実演の著作隣接権の保護期間についてまとめてみ…

職務著作とは

今日は職務著作について、簡単な検証をしてみたいと思います。職務著作の要件は、① 法人等の発意に基づき創作された著作物であること② その法人等の業務に従事する者が創作した著作物であること③ その法人等の職務上創作した著作物であること④ その法人等の…

私の著作権勉強法

権利処理のお仕事を初めて9年目。最初からがっつり著作権の勉強をしていたわけではありません。この業界は意外と商慣習がいろいろあって、法律の知識より経験の方が求められるからです。ちなみに、知識を付けるには資格試験が手っ取り早いというのは、当初か…

「自撮り」したサルの著作権

一昨年の夏ごろに賑わせた話題。やっぱり、猿の撮った写真には著作権を与えられない、というもの。そもそも、撮影者がシャッタースピード、絞り等に創意工夫したものに写真の著作権があるとされています。なので、証明写真などには著作権がないとされていま…

著作権研修で使ったゲーム

年始に年明け早々、研修があるということは書きましたが、昨日、第一日目が終わりました。備忘録として。今回は簡単なゲームを入れてみました。著作権法の著作物の条文(第二条の1)を読んだあとに、思い付く著作物の例を5つずつどうして著作物だと思ったの…

『Q&A 引用・転載の実務と著作権法<第3版>』

みなさんは「引用」とい言葉を聞いた時、どんな点に気をつけますか。意外と曖昧な事が多いかもしれません。この本は事例を挙げながら、どういう場合に「引用」と認められるのかが解説されています。 前回ご紹介しました福井健策先生の「18歳の著作権入門」…

公衆送信権とは

今日は公衆送信権について書いてみたいと思います。 著作権法の用語はよくわからないもの、 聞き慣れないものが多いですよね。 まだまだ勉強中の私もう〜ん?というものが結構あります。 そのうちの1つだったのが「公衆送信」。 どう説明したらいいのか。 ま…

新年明けての研修に向けて

明けましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたします。新年初のブログは、「新年明けての研修に向けて」です。 今年は年明けから社内研修の講師をしなければならないので、出先ながら資料をせっせと作っております。 研修は①2日間+②1月…

著作者と著作権者

著作者と著作権者は別人である可能性があります。簡単にいうと、著作者は著作物を作った人。著作権者はいろいろある(複製権や公衆送信権など)著作権を持っている人です。著作物ができあがった時には、著作者は著作権者でもあります。でも、その著作者が複…

事件で学ぶ著作権

「事件で学ぶ著作権」というタイトル通り、著作権にまつわる事件を筆者が見開き1ページで感想や解説を述べています。 著作権を知る過程では「判例」が大きな要素の1つとなります。しかし、いきなり判例を読めと言われてもなかなか読みづらいものです。こ…

著作物ってなに?

「著作物」って何を指しているかご存じですか? 実は結構判断に困ることが多いのです。 著作権法では、 「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定義されています。 これを分解すると、 ① 思…

権利処理研修の悩み

この1月に新人社員(←誤字ではありません)向けの権利処理研修を月初に2日間、月末に1日間行います。最初の2日間は両日とも午前中2時間、午後5時間。長丁場です。少人数なので、スクール形式でも賑やかにはなります。その場で質問をしてもらうので。でもせっ…

そこが知りたい 著作権Q&A100

著作権情報センター(CRIC)*という団体が出している『コピライト』という月刊誌があります。今回ご紹介する本はその『コピライト』に今も連載されているコーナーをまとめたものです。 タイトルの通り、事例が100挙げられていて法律的にどう判断されるのかが…

本の表紙

本の表紙にも著作権が働きます。しかも出版社によって、その利用に関する見解はマチマチのようです。とはいえ、本の何処かに「表紙 ○○」とか「装丁△△」等と書かれている場合は、注意が必要だと思われます。では、全部許諾を取ればいいのか、というとそれはき…

作家の収支

森 博嗣氏の作家としての収支について書かれたエッセイ。これのどこが著作権と関係するのか。私たちの仕事は例えば、森氏の作品を二次利用する時に関係するのです。二次利用というのは、具体的に言うと森氏の作品をドラマ化したり、アニメ化したり、入試の問…

なぜ著作権?

前職は著作権とは全く関係のない仕事をしていました。その私がどうして今の仕事、権利処理実務の会社に入ったのか、なんちゃってトヨタのなぜ5回方式で考えてみました。①なぜ著作権?→手に職を②なぜ手に職を?→強みになるから③なぜ強みが必要?→自分がこれか…

ネットフリックスの時代

『ネットフリックスの時代』 西田 宗千佳 講談社現代新書今秋、放送と通信の融合という観点から言えば、とても活発な動きがありました。1つはネットフリックスの上陸。 もう1つはTVerの開始。その2つの動きについて書かれているのがこの本。今の時期の映像配…

第2回【セミナー】2020年に向けて!いまから学ぶ著作権セミナー

第2回の「2020年に向けて!いまから学ぶ著作権セミナー」の大きなテーマは2つ。 1つ目は著作権の譲渡と相続について。 著作権のうち著作財産権は譲渡も相続もできます。 しかも支分権ごとに譲渡ができます。 例えば、複製権はAさんに、頒布権はBさんになど…

【セミナー】2020年に向けて!いまから学ぶ著作権セミナー

日時:2015年11月11日(水)13:30〜17:00 講師:(株)TBSテレビ 編成局メディアライツ推進部 担当局次長 日向 央 主催:(一社)日本映像・音楽ライブラリー協会 3回シリーズ 第1シーズン 1日目 著作権法の全体構造 講師の日向先生のセミナーは何度か参…

18歳の著作権入門

もともとはCNET Japanというサイトに掲載されていた20回分の連載記事です。その記事のパワーアップバージョンとしてちくまプリマー新書から出版されました。 その20回分を基礎知識編と応用編の2つに分けて著作権について解説しているのがこの新書版です。 基…

今日から権利処理実務者の日記を始めたいと思います。

著作権処理の仕事を始めて9年目に突入しました。 そこで、これまでのまとめとこれからのための備忘録として、 少しずつブログをアップしていきたいと思います。 第1回目は自己紹介も兼ねてこれまでの業務についてまとめて みたいと思います。 尚、守秘義務…