権利処理実務者の諸々日記

著作権や肖像権等の権利処理に携わってきた筆者が周辺書籍の紹介等をします。

18歳の著作権入門

 もともとはCNET Japanというサイトに掲載されていた20回分の連載記事です。その記事のパワーアップバージョンとしてちくまプリマー新書から出版されました。 

 その20回分を基礎知識編と応用編の2つに分けて著作権について解説しているのがこの新書版です。

 

基礎編では、著作権法の誤解が生じやすい点の解説。応用編では著作権法とその周辺の解説。そのどちらもがとても分かりやすく説明されていて、著作権を勉強する人にも著作権についてある程度知っている人にもいろいろな意味でオススメできます。

 

第1章から第3章までは「著作物」について書かれています。五輪のエンブレムでも話題になりましたが、著作物か著作物でないかの判断は、なかなか難しいのですが、著作物の基本的な定義の解説の後に著作物でないものの解説があり、著作物について二面的に捉えることができ、より正確な理解ができると思います。

 

応用編では、クリエイティブ・コモンズ青空文庫等の事例を基に解説されているので、読み物としても大変面白いと思います。

 

各20章の終りにはレビューとチェックテストが記載されていて復習できるのは自身の理解度を確認できるのも魅力の1つです。

 

 実は会社でも基礎参考書として配布してもらいました。

 

実務家にもそうでない人にもオススメの1冊です。

18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書)

18歳の著作権入門 (ちくまプリマー新書)