権利処理実務者の諸々日記

著作権や肖像権等の権利処理に携わってきた筆者が周辺書籍の紹介等をします。

伝えるって難しい

またもや間の空いたブログですが...。

私たちの仕事の1つに「交渉経緯」を残すという作業があります。

これは意外に大事な作業なのです。
というのも、同じ権利者に連絡することは多く、2回目に同じ権利者に連絡する際は、過去にどんな交渉をしたのか、相手はどんな対応をしたのか、どういう点で交渉が難航したのかを把握する必要があるからです。

一見、当たり前で容易なようですが、文章で交渉経緯を残すという作業はとても主観的な作業になりがちで、難しいのです。交渉したばかりの情報を文字化するため、つい周知の事実を省いてしまったりすることも多々有ります。でも、その周知の事実が「周知」でない場合が多いのです。というのも、権利処理という作業は非常にファジーなもので、プロジェクト毎に常識が異なってくるような業務なのです。

 

したがって、5W3Hを駆使してなるべく詳細に記す必要があるのです。ちなみに、権利処理の場合の3Hは「How」、「How much」、「How long」です。

そうすると今度は膨大な量になってしまうという落とし穴に落ちます。詳細に記しつつ簡潔に。なんて難しいんでしょう。

 

私自身、交渉経緯を残すという作業は難しさを痛感しており、自信を持ってこれを伝えられるほどの技術があるか不安です。ちょっと気を抜けば、あれれということも起こり得ます。
しかもこういう時の指導に限って「読む人の立場に立って」って。
そんなの指導じゃない!

と言うことで、この手の作業や指導が本当に難しいと思っている、権利処理実務者なのでありました。