権利処理実務者の諸々日記

著作権や肖像権等の権利処理に携わってきた筆者が周辺書籍の紹介等をします。

第2回【セミナー】2020年に向けて!いまから学ぶ著作権セミナー

第2回の「2020年に向けて!いまから学ぶ著作権セミナー」の大きなテーマは2つ。

1つ目は著作権の譲渡と相続について。 著作権のうち著作財産権は譲渡も相続もできます。 しかも支分権ごとに譲渡ができます。 例えば、複製権はAさんに、頒布権はBさんになど。

相続の場合、実務的によくあるのは、作家さんの権利継承者(相続者)が 複数いらして、その作家さんの作品をドラマ化する際、 権利継承者(相続者)全員の許諾が必要になるということです。例えば、ご兄弟4人で相続されたら、4人全員の許可がないとドラマ化できません。

著作者人格権著作権法第59条で一身専属となっていますが、 第60条で著作者が生きていたとしたら人格権の侵害となるべき行為を 禁止しています。 つまり、遺族が人格権を行使できるのです。 しかも法人が著作者の場合は、法人が潰れない限り人格権は永続的に 行使できます。

人格権の行使については理解していたつもりですが、法人が著作者と なった時に永続的に行使できると改めて知るとなんだか凄いことのような 感じがします。

2つ目は擬似権利。 弁護士の福井健策先生も 「擬似著作物」という言葉を造られていますが、この言葉は講師の日向先生が造られた言葉です。

つまり、権利はないのに権利があるかのようなことを指します。 ちょっと前に話題になった五輪エンブレム等が例に上がっていました。

そもそも何が著作物であるかは、未だに裁判で争われるぐらい難しい物だと私自身は感じています。

また実務では、慣習的に、明確な権利のないものにも使用料を払う場合があります。

そのような事例がたくさん上がっていました。

著作権セミナーは仕事がら、たくさん受けていますが、日向先生のセミナーは毎回発見のあるので、とても楽しいです。