権利処理実務者の諸々日記

著作権や肖像権等の権利処理に携わってきた筆者が周辺書籍の紹介等をします。

権利処理の仕事

初めての人に会って、自己紹介するとき「権利処理」ってどんなことをするのか、よく聞かれます。

確かに「権利処理」という言葉は耳慣れないですね。私たちが普段何をしているのか、放送番組と出版物とで若干異なりますが放送番組のドラマを例にして、簡単にまとめてみたいと思います。

放送番組は映画の著作物です。

9回の連続ドラマの場合…

① 試写といって9回全部の作品をみます。
② 各回毎に、エンドクレジット(テロップ)に出てくる人を確認します。一般的にはExcelにまとめることが多いです。
③ ②でまとめたリストを実演、文芸の著作物(原作、脚本など)、その他の著作物(資料など)に分けます。
④ 文芸の著作物の著作権者に連絡をして、利用の承諾を貰います。
⑤ 実演の場合、aRmaという著作権等管理事業者と契約を結んでいる場合は、出演者を報告します。
aRmaに所属していなかったり、そもそもaRmaと契約がない場合は、各出演者の所属事務所に連絡をします。再放送や放送波の異なる再放送の場合は、著作権法上、許諾を得るというよりは、いくら支払いますという連絡になります。
※放送番組は映画の著作物なのだからワンチャンス主義なのでは?と思われる方がおられると思います。放送番組だけは例外と著作権法にも書かれています。
⑦ その他の著作物の著作権者に連絡をして承諾を得ます。

大雑把に書くと、ドラマの場合は以上の7つの工程を権利処理と呼んでいます。
かなり簡単にまとめましたがf(^_^;

ちなみに、①の試写では、放送禁止用語の使用についても確認することもあります。

また、ドキュメンタリー番組やバラエティ番組でも実演がメインなのか資料などがメインなのかの違いはあっても、大体は同じような流れです。