権利処理実務者の諸々日記

著作権や肖像権等の権利処理に携わってきた筆者が周辺書籍の紹介等をします。

本の表紙

本の表紙にも著作権が働きます。しかも出版社によって、その利用に関する見解はマチマチのようです。

とはいえ、本の何処かに「表紙 ○○」とか「装丁△△」等と書かれている場合は、注意が必要だと思われます。

では、全部許諾を取ればいいのか、というとそれはきっとユーザーだけでなく出版社も大変なので、下記のような場合は利用できるようです。

例えば…。

書評等で使う場合は要件さえ満たせば、引用とすることが可能です。

この場合の引用の要件とは、

①主従の関係:書評が主で表紙画像は従であること。
②明瞭性:引用した物であるということがはっきりしていること。
③出典の表記:作者の名前が記載されていること。
④改変禁止:本の表紙に加工をしたりしないということ。
⑤鑑賞性が低いこと:本の表紙の場合、美術の著作物になるので、あまり画素数の高いカメラで撮らない
※順番に意図はありません。


で、時々聞かれるのがAmazonなどのサイト。本の表紙がたくさん掲載されています。これは、著作権法(第47条の2)が適用され、許諾なしで利用可能のようです。

基本、著作権は権利者の利益を損ねないということが大事なようですので、先ずはそこを考えることが大事なことだと思われます。