そこが知りたい 著作権Q&A100
著作権情報センター(CRIC)*という団体が出している『コピライト』という月刊誌があります。今回ご紹介する本はその『コピライト』に今も連載されているコーナーをまとめたものです。
タイトルの通り、事例が100挙げられていて法律的にどう判断されるのかが掲載されています。
例えば、「店舗での音楽利用」とか「講演での資料の利用」、「絵本の読み聞かせ」など気になるトピックが結構あります
店舗での音楽利用:以前、店舗経営のような仕事をしていた際に、職場に音楽を流していました。会社からクラシック以外は流してはいけないと通達がきていました。が、今ではその訳が十分にわかります。
ちなみに、音楽の著作物は作詞家・作曲家の著作権とCDやレコードにするレコード製作者と音楽を演奏する実演家の著作隣接権という権利があります。著作権には演奏権がありますが、著作隣接権には演奏権がないため、作詞・作曲家の著作権が切れているクラシックの音楽は店内でかけても問題ないとされているようです。
講演での資料の利用:引用の要件を満たせば利用が可能。非営利、無償であれば引用でなくとも利用は可。しかし、複製して配布するのはNG。
絵本の読み聞かせ:口述権という権利が関係しますが、公表されている著作物で、営利を目的とせず、入場料などの料金を聴衆から取得せず、出演者にも報酬を払わなければ著作権法38条が適用されます。
ここで難しいのは非営利の定義ですが、これは長くなるのでまた、今度。
簡単に書かれた解説を私が難しくしてしまいましたが、この本は非常に分かりやすく解説されています。
出版が2011年と毎年のように変わる著作権法の本としては古いのが気になる所ですが、それでも勉強になります。
連載もまだ続いていますし、第2版のような続編が出ることを心から望みます。